平成23年6月1日
自由民主党
政務調査会 財務金融部会・X-dayプロジェクト
「万が一、国債価格が将来の国債償還への不安を主因として短期間で大幅に下落し更に市場関係者の動揺が収まらない状況になったような場合の政府・日銀や市場関係者がとるべき対応について検討する本プロジェクトチームを昨年12月に立ち上げ、政策当局や市場関係者、学識経験者を交え、議論を重ねてきた。
今後7、8年以内に、国の債務残高が国内貯蓄の残高(家計の金融資産残高)を超え、経常収支赤字に陥るおそれもあって、国債発行は限界に達すると警告している者もおり、財政健全化が着実に進展しなければ、万が一の事態がそう遠くない日に現実となることも否定できない。
急激な少子高齢化を背景に、家計の貯蓄率は低下しており、また、200兆円に上る企業の現預金も、経済動向によっては減少することも考えられる。したがって、家計貯蓄等による国債ファイナンスも徐々に厳しい状況になってきている。
また、貿易黒字は概ね減少傾向にあり、経常黒字も従来同様の高いレベルで維持できる保障はない。このため、ほぼ国内だけで資金調達できる環境が未来永劫続くとは言えなくなってきている。
国債の主体別売買高を見ると、海外投資家は、現物市場で16%、先物市場で62%を占め、そのプレゼンスは高い。さらに、民主党政権における税と社会保障の一体改革の議論は、社会保障の機能強化の議論が先行しており、仮に消費税の引上げによる増収のうち社会保障の純粋な機能強化に充てる部分が大きくなると、財政ポジションの改善度合いは相対的に小さくなる。
国債市場において金利が急騰した場合には、
ア)まず、国債発行が円滑に進むよう、発行計画の見直しや買入消却等を機動的かつ柔軟に実施しなければならない。
イ)あわせて、市場との丁寧な対話を行い、政府の財政の現状や財政再建に向けた取組みを含め、正確かつわかりやすい情報をタイムリーに提供していく。
国債市場での金利の急激な上昇により、金融機関間のカウンターパーティリスク(*取引の相手方のことで、そこが債務不履行を起こすなどして、損害が発生する危険性例えば、銀行間どうしの取引で資金を貸し出した相手が破綻したり、一般企業でも取引の相手方が契約の不履行を起こすなどのケースが考えられます。)が顕著に意識され、金融機関間および対企業への資金供給の目詰まりを起こし金融市場が機能不全に陥る可能性がある。
日銀は、こうしたことを回避するため、前例に囚われず思い切った潤沢な資金供給を金融市場に対し機動的に行う。
そのため、日銀は、市場での資金の供給の円滑化を図り、国債市場を安定させるため、国債の買い切りオペ(日銀が金融調節のため、銀行や証券会社を相手に行うオペレー ション<公開市場操作>の1つ。銀行などが保有する長期国債を買 い取ることで、金融市場に資金が潤沢に回る効果が期待できる)額の大幅な増額を図らなければならない。
また、あわせて、リーマンショック時に米国FRBが講じた一連の非伝統的な措置や量的緩和策を参考に、リスク資産等の購入も思い切って行わなければならない。
我々、責任野党の自民党としては、市場関係者や学識経験者、政策当局と綿密な意見交換を行い、金利が急上昇した場合の万一の備えについて、検討を行ってきた結果、本報告書をとりまとめることとなった。ことの性格上詳細について文章にしていないところもあるが、今回の報告書の最大の目的は、民主党政権の無責任な財政政策に警鐘を鳴らすことであり、その内容を実行せざるを得ない事態に陥らないことを切に希望するものである。」
https://www.jimin.jp/policy/policy_topics/110988.html
https://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/seisaku-047.pdf
http://ameblo.jp/torisukiyonori/entry-10938132564.html
「万が一」と断り、また「その内容を実行せざるを得ない事態に陥らないことを切に希望するものである。」と断ってはいるものの、このX-dayプロジェクトはすでに実行中なのである。

